株式投資の優れた点

資産運用には株式投資以外にも多くの方法があります。
預金、債券、為替、不動産、金、商品などです。
資産三分法という言葉がありますが、これは資産を流動性資金、
使用予定資金、利殖性資金に分けて持つというものです。


上の例で言えば、流動性資金は預金ですし、
使用予定資金は中期債などが相当するでしょう。
そして、株式投資は為替や不動産、商品などと並んで
利殖性資金に位置付けられます。

 

その中で株式投資流動性が高く、換金が容易であり、
それ自体がバリエーションに富んでいてリスク分散が簡単だという特徴があります。
また、株式投資を行うためには、経済の知識やお金の知識を学ばなければなりません。
しかし、逆にそれらを学ぶことで、リアルの世界でも役に立つこともあります。

 

これらが株式投資の優れた点ということになります。

資産運用が必要不可欠な時代になって来た

日本人には株式投資というとはなから危険なものという捉え方の人が多いものです。
だとすれば、なぜ株式投資が必要かということはとても重要なテーマです。

広い意味の資本主義経済で、一つの国が成長し、
繁栄している間は国民一人一人の所得が増加し、生活水準も上がって行きます。

しかし、所得水準が国際的にも高水準となり始め、
新たな成長手段が見いだせない場合、国の経済が成熟化し、
国民の所得も横ばいか、減少し始めます。
この25年間の日本がまさにこの状況です。

一人一人の所得が増加しているような国では、
貯蓄や運用はそれほど重要な意味を持たないかもしれません。
つまり、ある時、1の所得に対して2の貯蓄があって、
その貯蓄が運用によって3になったとしても、
その時点で所得が3になっているような場合です。

ただし、これはこれで企業が成長するために株式市場が必要であり、
企業が成長すれば国民も潤いますから本当は必要なのですが。
この時期の株式投資はいわば余裕のある人が参加する市場と言えるでしょう。

一方、所得が減少するような場合は、運用が非常に重要となってきます。
つまり、1の所得に対して、2の貯蓄があり、所得が0.8になった時、
貯蓄が2のままか3になっているかは大きな違いです。

国の位置付けばかりではなく、個人的には高齢になることによって、
過去の貯蓄を運用することの重要性は大きなものとなります。
特に年金が頼りになりそうもない我が国において、自らの貯蓄の運用は大きな意味があるのです。

そのような観点から言えば、今の日本において正しい株式投資を学ぶことは、
生きて行くうえで、大変重要なことであるということがわかると思います。

ギャンブルがいけないわけではありません

ただし、考え違いをしていただきたくはありませんが、
私自身は株式投資でギャンブルを行うことを否定しているわけではありません。

私が言っているのは、
「知識と経験が少ないにもかかわらず、株式投資でギャンブルをすれば、ほぼ間違いなく損をする」
ということだけです。

知識と経験があり、運用資金全体としてリスクをコントロールできるようになれば、
大いに株式でギャンブルをすることは結構だということです。

これも株式投資の醍醐味ですから。
ただし、株式投資を投資として行うより、数段レベルが高いので、初級者はもとより、
中級者でもまだ早いと思います。

何もわからないうちにいきなりギャンブルをするのは自殺行為です。
最後は、堂々と株式投資でギャンブルができるところまでレベルを上げましょう。

ただし、知識を持たずに株式投資を始めれば、まずギャンブルになってしまいます。
まずは、株式投資の知識を習得することから始めましょう。

株式投資はギャンブルとの境目が不明確

根本的に物事の本質がギャンブルではないとしたら、
ギャンブルかギャンブルでないかの境目はどこにあるのでしょうか?

それはお金をかけているか、かけていないかということになります。

前回で述べたサッカーや野球、選挙などはお金をかけなければギャンブルにはなりえません。
また、競馬、競輪、パチンコなどは初めからギャンブルとしてお金をかけますからギャンブルになります。
麻雀もお金をかけずにやることは少ないでしょう。トランプはお金をかければ明らかにギャンブルです。
商品先物は事業者がヘッジ機能として使う場合はギャンブルではないのですが、事業者ではない人ははなからギャンブルです。

ところが、株式投資の場合、投資としてお金を投じた段階ではギャンブルでなくとも、
お金を投じるわけですので、うっかりしていると途中からギャンブルになりやすい面があります。

一方、同じ投資でも不動産投資や現物の金投資の場合、ギャンブルにはなりにくいものです。

これらの投資と株式投資の差は何かというと、実は株式投資の最大のメリットである換金性にあります。
換金しやすく、取引コストが低く、日々価格がわかるメリットがあるため、逆にギャンブルになりやすいのです。

不動産投資であれば、日々の価格変動が瞬時にはわかりませんし、
換金するには時間がかかりますから、短期で売り買いをしようという気にはなりません。
つまり、株式投資でもたまにしか株価を見なければ、ギャンブルにはなりにくくなります。

もう一つの株式投資の罠は、株式投資であれば実はギャンブルを行っていても、
他人には投資を行っているように思わせることができるという面があります。
たとえば、競馬で生活しているということを堂々と言う人は、
株式投資で生活しているという人よりずっと少ないと思います。

それは、競馬は誰から見てもギャンブルですが、
株式投資はギャンブルかギャンブルでないかは他人からはわからないためです。
実は、同じく株式の売り買いをしていても、株式投資とギャンブルでは手法が大きく異なります。
ただし、本質をきちんと理解していないと、この区別がつきませんから、
ギャンブルをしている当人がギャンブルとは気づいていないこともよくあります。

このブログでは、どうすれば株式投資をギャンブルとせず、いかに株式投資にできるかを説明します。

株式投資とギャンブルの違い

株式投資の本質はギャンブルではありません。
しかし、基礎知識がないために多くの個人投資家はせっかくの株式投資をギャンブルにしてしまっているのです。
また、株式投資にはギャンブルになりやすい要素もあります。


ここは実は極めて重要です。
株式投資として株式投資を行えば、着実に儲かります。
しかし、ギャンブルとして行うと、たまに儲かりますが、大半の人は均すと損をします。

 

株式投資はギャンブルであると思っている人は非常に多いでしょう。
しかし、それは本質ではありません。

パチンコ、競輪、競馬はギャンブルの代表です。
麻雀や花札はギャンブルで、
トランプはギャンブルというイメージがあまりありません。

実は、世の中で行われていることのほとんどすべてのものは
ギャンブルの対象になります。
野球、相撲、サッカーなどから始まって、
オリンピックでも選挙でもギャンブルになります。

しかし、それらの本質はギャンブルではありません。
ただ単にギャンブルの対象にする人がいるということです。

すると、ギャンブルかギャンブルでないかは、そのものの本質より、
そのものでギャンブルを行うか、行わないかということになります。
そして、ギャンブルには損をする可能性が高いという意味合いもあります。
結果的に、個人投資家の多くは株式投資を行っているのではなく、ギャンブルを行っているので損をする人が後を絶たないのです。

株価はなぜ動くのか?

株式投資をする場合、一般的には流通市場について議論することが多くなります。
ただし、個人投資家でも、企業が新規上場するときや公募増資をするときには発行市場と関わることもあります。

その場合も含めて、株式投資をして
資金を有利に運用することを考える場合、
株価が何によって変動しているかが最大の関心事です。
つまり、流通市場での株価の決まり方ということになります。

まず、一番わかりやすい考え方は、中長期的には企業の業績によって株価は変動するというものでしょう。
業績が良くなれば、株価は上昇し、株式投資で利益を得られ、業績が悪くなれば、株価は下落し、株式投資で損をするということです。

つまり、企業業績が良くなると思ったが、良くならなければ、あるいは悪くなれば損をするということです。
この予測自体が難しいという点はありますが、考え方の基本はこういうことです。

ただし、一歩進めて考えると、ここまで単純ではないケースも多いのです。

多くの投資家が皆、基本的には同じように考えて行動しがちだということがあるためです。
多くの人が将来良くなるだろうと思ったことを根拠に、その株を買っているので、
株価がすでに将来のその企業の成功を織り込んでいることによって、株価が十分高くなっている可能性があります。

そこで、しばしば思った通りに業績が良くなったとしても、
多くの人が考えたほど良くならなければ、株価は下がることもあります。
しかも、多くの場合、世の中の期待ほど企業の業績は良くなりません。
大方、現実より期待感のほうが大きいものです。

そして、このことは株式投資においては極めて頻繁に起こります。
これは、株価が注目を浴びて買われているとき、または逆に悲観的に売られているときの過剰反応です。
ここが株式投資の最大の曲者で、株価が上昇すると、
良くなるという将来に対する予想の確実度が高くなったように見えてしまうということがしばしば起こります。

逆の現象で、多くの人がつぶれるだろうと思って株が売られることによって、
株価は5円、10円となることもあります。
しかし、結果的に大丈夫ということになれば、株価は数倍にもなります。
このようなメカニズムを十分わかっているだけでも、投資に挑む心構えが大きく変ってきます。


 

 

株式市場とは何か?

前回取り上げた例で、成功した場合に、会社の価値が10年後に1億円となったと表現しましたが、
その価値はどう決まるかという問題は、実は上場していない会社の場合、非常に難しいものがあります。

上場している会社の場合は簡単で、発行しているすべての株の数に、そのときの株価をかければ計算できます。
それがその時の時価総額になり、狭い意味での企業の価値となります。

さて前回の例は、当然ながら長期的に株式を保有して、
企業の長期的な成長やリスクを享受するということを意味しています。
ここで言う長期とは、最低でも10年というような期間になります。

一方、一般的に考えられている株式投資は、数日、数ヶ月、数年とばらつきはあるものの、
超長期の株式投資の本来の意味とは異なることが多いものです。

企業を運営する人にとっては、資金は長期的に固定していることが理想です。
しかし、長期的に固定した資金を必要なだけ集めることは簡単ではありません。
つまり、投資するほうから見れば、その資金が必要となったときに、
そのときの適正価格で換金できなければ、魅力は半減してしまいます。

そこで、経営者側にとって都合の良い長期資金と
資金供給側にとって都合の良い換金性の両方を満たすために
生まれた市場が株式を流通させる株式市場になります。

しばしば、株式の発行市場、流通市場という表現が用いられます。

企業が直接資金を調達する市場を発行市場、
すでに発行されている株式を売買する市場を流通市場と呼びます。

ただし、同じ市場という表現を用いていますが、
流通市場は証券取引所が運営する上場株式市場がありますが、
発行市場は目に見えないマーケットのことを指し、
特に取引所のようなものがあるわけではありません。