株式市場とは何か?

前回取り上げた例で、成功した場合に、会社の価値が10年後に1億円となったと表現しましたが、
その価値はどう決まるかという問題は、実は上場していない会社の場合、非常に難しいものがあります。

上場している会社の場合は簡単で、発行しているすべての株の数に、そのときの株価をかければ計算できます。
それがその時の時価総額になり、狭い意味での企業の価値となります。

さて前回の例は、当然ながら長期的に株式を保有して、
企業の長期的な成長やリスクを享受するということを意味しています。
ここで言う長期とは、最低でも10年というような期間になります。

一方、一般的に考えられている株式投資は、数日、数ヶ月、数年とばらつきはあるものの、
超長期の株式投資の本来の意味とは異なることが多いものです。

企業を運営する人にとっては、資金は長期的に固定していることが理想です。
しかし、長期的に固定した資金を必要なだけ集めることは簡単ではありません。
つまり、投資するほうから見れば、その資金が必要となったときに、
そのときの適正価格で換金できなければ、魅力は半減してしまいます。

そこで、経営者側にとって都合の良い長期資金と
資金供給側にとって都合の良い換金性の両方を満たすために
生まれた市場が株式を流通させる株式市場になります。

しばしば、株式の発行市場、流通市場という表現が用いられます。

企業が直接資金を調達する市場を発行市場、
すでに発行されている株式を売買する市場を流通市場と呼びます。

ただし、同じ市場という表現を用いていますが、
流通市場は証券取引所が運営する上場株式市場がありますが、
発行市場は目に見えないマーケットのことを指し、
特に取引所のようなものがあるわけではありません。