PERをチェックする

前回はPBRについて解説しましたが、今回はPBRと並んで重要なPERについて解説します。


PER(株価収益率)は株価を一株当たり利益(以下EPS)で割ったものです。

本来はPBRよりPERの方が指標としては重要です。
しかし、PBRの計算分母であるBPSは年によってあまり大きく変動しませんが、
PERの分母であるEPSは年によって大きく変動します。

よって、PERの場合はその時点で計算できるEPSが単純には使えないため、それをチェックする必要があります。
しかし、これはチェックポイントが多く、初級コースですべて網羅するには厳しいものがあります。

上級になれば自分で業績表を作って当期の会社予想のEPS、自分の当期予想EPS、
次期予想EPSなどからPERを計算することもできます。
ここまでできるようになれば、現時点のPERが正確に把握でき、投資の精度が一段と上がります。

詳しくは先に行って中級編、上級編で解説するとして、ここでは初級向けの解説にとどめます。

まず、PERの計算の分母となるEPSはいつのEPSかということがあります。
PBRの分母となるBPSはほぼ前期末のBPSで統一されていますから、あまり問題になることはありません。

EPSの場合、基本的には今期予想EPSを用いますが、インターネットでデータを取ると、
前期EPSを用いていることがあるので注意が必要です。
EPSは期によって大きく変動しますので、終わった期のEPSを使ってもあまり意味がありません。

 
予想PERを使う場合のもう一つの問題は、予想EPSは予想利益から求めるわけですが、
その予想が誰の予想かということも問題になります。
本来は自分で予想を作らなければなりませんが、それは上級者でも訓練しないと難しいものです。
そのため、一般的には会社予想や市場の平均値を使うことになります。