掘り出しものの格安銘柄の発掘チャンスです。

株式市場は世界的な景気減速懸念から、TOPIXはこの1か月ほど年初来安値近辺でもみ合っています。ただし、10月辺りまでは全体相場の下げが、幅広い銘柄に均等に影響を与えていました。しかし、このところは、景気減速の影響を受ける銘柄や個別事情で業績が悪化した銘柄は容赦なく売られていますが、好業績が継続し、景気減速の影響が小さい銘柄はそれなりに買われています。その意味で、相場は秋口までと比較すると、理にかなった動きをし始めていると言えるでしょう。

 

そうなると、改めて業績とは無関係に売られた銘柄の中には、実態と比較して割安感の強い掘り出しものの銘柄も目につくようになっています。ただし、ただ単に当面の業績に比較して割安というだけではなく、長期的に大きく変化するポテンシャルがなければ、せっかく今買う意味がありません。強い相場では、将来ポテンシャルの大きな銘柄のPERは高くなりすぎて、相場がいいうちは簡単に儲かるのですが、うっかり手を出して、市場の調整局面に当たるとびっくりするほど大きくやられます。

 

さて、今はそんなお宝銘柄が比較的容易に見つけられる局面です。特に、出てきた決算は一見減益で厳しく見えるのですが、実はすでに月次では収益が回復しているというパターンが一番安心できます。加えて、景気減速の影響を受けにくいいわゆるディフェンシブ銘柄であればさらに安心できます。しかも、将来的に大きな成長が期待できれば、もはや鬼に金棒です。そんな銘柄があれば、NISA枠で買って放っておいてもいいでしょう。

 

そこで、今買えるそんなお宝銘柄を紹介します。年初の高値から見れば、半分以下の株価にあるのもありがたいことです。レポートはこちらから入手できます。

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大化けネット株紹介します

大化けネット株紹介します。

 

現在の相場の弱さの元凶は、リーマンショック後に世界的な景気拡大が続いたことで、そろそろ減速してもおかしくはないという中で、米中の経済戦争によってその可能性が現実味を帯びていることです。それゆえ、足元の業績が良くても、なかなか景気敏感株には手が出ません。

 

しかし、国内は人手不足で、人件費は上がる、物流費も上がるということで、内需ディフェンシブの小売りや食品メーカーは逆に足元の業績が心もとない状況で、やはりなかなか手が出にくくなっています。

 

グローバルな景気動向の影響を受けにくく、為替の影響も受けにくく、人件費、物流費の影響を受けにくい会社となると、やはりネット株抜きに今の相場は語れません。しかし、金利上昇下ですので、PERも無視はできません。これは米国で、これまで散々買われたフェイスブックやアマゾン、グーグルなどの高バリュエーション銘柄が米国株式の下げを先導し始めていることによく表れています。そこで、ネット株といえども低PERは絶対条件となります。

 

ネット企業には、急成長企業が多く数年で5倍、10倍のリターンが狙える株があります。しかし、その反面、ある日突然の業績悪化を発表して、数日で半値となってしまうこともあります。それゆえ、なかなか素人では手が出しにくい業種です。しかし、いまやIPO企業のかなりがネット企業で、ネット企業を避け続けていると、いつの間にか将来性のないオールド企業ばかりになってしまう可能性もあります。

 

そこで、ネット株の低リスク、高リターン投資法をいろいろ考えたところ、これぞという方法を発見しました。

 

ネット株の売上は原価がゼロという売上も珍しくありません。つまり、売上が10%増えれば利益は15%増え、売上が20%増えれば利益は40%増えるような感じです。このように、変動費は小さいのですが、戦略的な固定費投資をある日突然決断します。つまり、将来のステップアップのための投資です。これらが連続的ではなく、会社側は用意周到に決断したとしても、投資家にとっては突然に見えます。これらの固定費には、新しいソフトを開発するための人件費、それらのソフトを動かすためのサーバ投資、ゲーム会社の場合は広告宣伝費などがあります。

 

これらの決断を会社側が行うと、それまで売上が年20%増え、利益が40%増え、PERが50倍だった株が、ある日決算を発表して、翌期の予想が、売上は20%以上伸びるのに、利益は半減などとなります。そして、株価は半年もすると3分の1になっています。

 

これらの費用は一旦増えてしまうと、しばらくは増え方が緩やかになりますから、その後の売上成長で、大幅減益の翌期からはまた再び数年間、40%増益が続くというパターンです。つまり、今現在そのような固定費投資をしている会社で、表面上の利益が実力よりずっと下の会社を狙えば、大きなリターンを得られます。しかし、世の中はネット企業のことを十分理解していませんから、回復が実際に始まったことが確認してからでも十分間に合います。

 

つまり、そんな株を事前に知っておいて、出てくる決算を確認し、四半期で増益に転じた時点で即乗ると数年放っておいて、低リスクで5倍、10倍のリターンが期待できることになります。

 

常にそういう株をいくつか抱えておいて、決算を確認して買うという行動で、ネット株で大きな財産を築くことができるでしょう。

 

さて、今回はそんな銘柄のひとつを紹介します。現在その会社は人件費と設備投資を行っていて、売上は順調に拡大しています、しかも、後数カ月でさらに売上拡大ピッチが上がる可能性があります。相場環境が良ければ、そういう株でも事前に株価が上がり始めるのですが、今の相場は疑心暗鬼ですので、実際にその数字が出てこなければ、動かない、むしろ下がる可能性もあります。そこで、今後出る四半期決算を見て、会社側が言っているように売上の拡大ピッチが上がり、増益に転換していたら、即買うという準備をしておけばいいのです。

 

その銘柄に関して、かなり詳細に解説し、買いタイミングに関しても詳しく説明したレポートです。

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現状を把握する

 

 

前章の作業によって業績のグラフができたとして、そのグラフを使って企業分析をスタートします。

【 長期間の業績推移を見る】

まずは前章で作成した長期の業績推移グラフを見て、現状の位置づけをざくっと把握します。
これはそんなに難しい判断を伴う作業というわけではありません。

 

 

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簡単で結構です。ずっと利益が増益基調にあるとか、変動が激しいとか、地味だとかなんでも結構です。

キユーピーを例にとって示します。
売上高は食品企業のイメージ通り、伸び率は低いものの、順調に増加していることがわかります。
2007年から2016年までの売上高の年平均成長率は1.9%になります。

一方、営業利益は同じ期間に年率7.3%の成長をしています。
ただし、少しだけ細かく見ると、2010年から2013年はやや利益が伸び悩んでいます。
しかし、2008年から2010年念いは大きく伸び、また2013年から現在までは再び高い伸びとなっています。


まずは、この程度理解すれば十分でしょう。

ただし、せっかく理解したらこのことを頭の中に入れておきましょう。
先に行って、伸び悩みの時期や伸びが高い時期の背景にあるものを分析するためです。

 

ここまで読んでこられて申し訳ありませんが、企業分析に関しては、とりあえずここでお仕舞です。

ここから先もあるのですが、正しく伝えようとすると難しくなりすぎるので、どう伝えるかアイディアを巡らせています。また、アイディアが浮かびましたら、この先もブログにアップしたいと思います。

 

現時点(2021年10月27日)ではまだ更新できていません。そこで、ここまで読まれた方に、今まさに自信を持って、短期、中期、そして長期で大化けする銘柄を紹介しておきます。

こちらをご覧ください。

cherry100.mods.jp

この銘柄は、まさに5年、10年で株価、5倍、10倍が期待できる企業です。こちらからじっくりレポートをご覧ください。

 

 

 

 

 

企業分析の具体的作業

この章からいよいよ企業分析の具体的作業について解説します。

【企業分析でまず目指すこと】

企業分析の具体的作業に入る前に株式投資に役立つ企業分析とは、本質的部分で一体何を分析するか十分理解しておく必要があります。
将来の株価を決めるのは、将来の業績です。
それでは、将来の業績をいきなり予想できるのかというと、それは不可能です。

それではどうするかというと、まず過去を分析することから始めることになります。
ただし、結論から言ってしまえば、過去をどれだけ分析しても、正しく未来を予想することはそう簡単ではありません。
そのため、初めからあまり未来を予想しようと思わないことがいいでしょう。

一見、アナリストは業績を予想して、株価を予想しているように見えます。
確かに、当たりもしない業績予想を熱心に行っているアナリストがいないことはありません。
しかし、優秀なアナリストは、業績予想を真剣にやっている振りをすることはあっても、
本当は予想をしていないことが多いものです。それは、結局予想は誰がやっても外れるためです。

それでは、一体過去を分析して何を求めるのかという疑問が生じると思います。
それは、過去を分析して、業績変動の規則性を発見したり、
業績変動の要因を分析し、それらと株価の関係を分析するのです。
業績変動の要因とは、その企業の業績変動に影響を与える大きな外部ファクターということになります。

ただし、外部ファクターを発見したとしても、それが周知のもの、
例えば輸出企業と為替、船会社と海上運賃、鉄鋼市況と鉄鋼株などでは、あまり役に立ちません。
なぜならば、それらは大方のプロが知っており、間をおかず株価に反映されてしまうためです。

結局、その関係を使って株価を当てるためには、為替や市況を予測しなければなりません。
しかし、為替や市況はむしろ株価より予測が難しいわけですから、意味がないことになります。

また、企業の将来を考える場合、重要なこととして、
経営の分析というものもありますが、これはかなり上級者ではないと難しいものです。
オーナー企業であれば、その経営者の力量を見極める必要があります。
一方、サラリーマン社長の場合、経営者個人よりも経営体としての企業そのものを分析対象としなければなりませんが、
これはさらに難しいものとなります。

【データをダウンロードする】

それではキユーピーを例として、企業分析の作業に入りましょう。
まず、財務データを見るのですが、なるべく長期間のデータが比較できることがベストです。
財務データには損益計算書と貸借対照表があります。

どんな会社かを見る場合、貸借対照表のチェックは欠かせないのですが、
それと株価の関係は必ずしもシンプルではありませんので、まずは損益計算書の分析から入ります。
もちろん、貸借対照表の分析も決しておろそかにはできないのですが、
ここではあえてその必要性が小さい会社を選んでおり、貸借対照表の見方はまた改めて行うことにします。
まずは貸借対照表に問題がないという前提で話を進めます。

ということで、長期間の損益計算書を見るのですが、キユーピーの場合かなり親切でして、
財務・業績のハイライトから財務データがエクセルファイルでダウンロードできます。
なお、そもそもお使いのパソコンにエクセルのアプリケーションが入っていない場合はできません。
(企業分析マニュアル(1)P.6)
企業分析マニュアル(1)はこちらからダウンロードできます。

http://cherry100.mods.jp/open/text1.pdf

【グラフを作る】

次にダウンロードしたデータを使って、マニュアルを参考にしながらグラフを作ってみてください。
(企業分析マニュアル(1)P.8から)

ただし、マニュアルに示しているパソコン画面は、ソフトやバージョンによって異なるので、
マニュアルと全く同じとは限りませんのでご注意ください。

 

企業の調べ方

本章からはいよいよ具体的な企業分析の段取りや手段を示します。
まず、実際私が全く新しく企業を分析し始める場合の段取りを示すことにしましょう。

ファンダメンタル分析の価値】

株式投資は銘柄を人から聞いて、鵜呑みにして投資しているうちはなかなか儲かりません。
本当に儲けるためには、自分で自分にあった方法論を見つけ、銘柄を探す作業が必要です。
そのためには、自らが企業分析を行うことができるようにし、株価も考えられるようにする必要があります。


もちろん、誰も最初のうちからそんなことができるわけではありません。
最初のうちは聞いた銘柄をせめて自分なりに解釈するところから始めます。
まずは、私がお話しする銘柄について自分なりに理解するところからスタートしてもらえればいいでしょう。


ゴルフのレッスンにたとえれば、初めて練習場のティーに立って、
いきなり打ってくださいといわれても、打つことはできないでしょう。
そこで、まずはレッスンプロが打つのを見ます。
次に今のように打ってくださいと言われますが、当然それでもやっぱり打てません。
そこで、うまく打つためには、脇を締めるとか、
ヘッドアップをしないとか、右手を返すとか、具体的な方法のレッスンが始まるのです。


ここでは企業分析、株価分析をするためには、具体的にどうすればいいのかをお話します。
ここで話すことは、企業分析の初歩です。
しかし、株式投資の大ベテランであっても、実際は企業分析のやり方などはほとんど知らないものです。
また、個人投資家の方は、
そもそも企業分析のやり方を教えることのできる人と接する機会はほとんどないでしょう。


つまり、ここからお話しすることは、企業分析の初歩ですが、
決して株式投資の初心者だけに向けたものではないということです。
株式の投資手法にはさまざまありますが、ひとつの手法だけで、
それ以外の方法を使っていないという人はまずいないでしょう。


私もファンダメンタルから株価を考えることには長けていますが、
エコノミストやストラテジストの話も聞きますし、チャートも見ますし、
ファンドマネージャーの相場観も利用していますし、
クォンツの人とも意見交換をして、それぞれの考え方を大いに参考にしています。


どんな立場で株式投資を行っていても、間違いなくファンダメンタルを理解し、
ファンダメンタルと株価の関係を理解することは、その人が持つ得意な手法に対して、
さらに付加価値を与えることになるでしょう。


【理解しやすい企業、しにくい企業】


最初に行うことは、その企業の長期的な業績変動を眺めて、
現状がどんな位置づけにあるかを見ることです。
業績変動を俯瞰するときにとりあえず見るのは営業利益の推移です。


この場合、二つの面から見ます。つまり、長期的な業績のトレンドと中期的な位置づけです。


それでは、具体的な企業を例にとって、実際に企業分析を始めることにしましょう。
ここで例として用いる企業はキユーピー(2809)です。
最初にキユーピーから始めるのには多少の意味があります。
ひとつには、商品が理解しやすいということです。
例えば、電子部品や化学品などの中間財を扱っている企業では具体的イメージが湧きにくいものです。
もちろん、他の食品企業でもいいのですが、
いわゆるコンシューマー(消費者)向け製品のメーカーがいいでしょう。


外食産業や小売業も普段接するという意味では選択肢になります。
ただし、外食産業はまだいいのですが、小売業の場合は、
扱い商品は同じあるいは同じようなものであり、
差別化がオペレーションにあるのでこれも分析に慣れてこないと難しいものです。


また、商品という面も重要ですが、
IR(インベスターリレーション)体制が整っていないと調べにくいという面もあります。
同社の場合、HP(ホームページ)も親切であり、
データも整っているため調べやすいということもポイントになります。


以上のような背景から、企業分析のトップバッターとして、
キユーピーを取り上げて解説することにします。


【まずはホームページへのアクセスから】

 

まずは、会社を理解することからスタートします。
かつては会社のことを調べようと思うととてつもない労力が必要でした。
しかし、今は会社のIR姿勢が良くなったことと、
インターネットの普及でかなりのことが自宅にいて調べられるようになっています。


まず調べてみたい企業があれば、ホームページにアクセスするのが一番手っ取り早いものです。
ここで、念のため言っておきますと、キユーピーはキューピーではなく、キユーピーなのです。
つまり、ユであって、ュではありません。
キユーピーのホームページはこちらになります。
http://www.kewpie.co.jp/index.html
その中で特に株式投資の分析に使うのはこちらのIRのページです。
http://www.kewpie.co.jp/company/ir/index.html


次回から財務データを用いて具体的に企業分析を進めるのですが、
まずはホームページをあちこちクリックして、どんな資料があるか見てください。
特に、コンシューマー企業は消費者を意識している面が強いので、
できる限り企業情報を開示しているため、HPを見るだけでもその企業をかなり理解できるものです。


ただし、安易に理解という言葉を使ってしまいましたが、
それはあくまで企業のことがある程度わかるということであって、
株式投資に使えるような形での企業分析とはかなり異なるものです。

 

そして、ざっとでいいので事業内容を見た段階で、どんな業績か想像してみることをお奨めします。
つまり、自分を含めた世間がどう感じているか、
そして業績を見たときとのギャップが意外と株式のリターンを考えるヒントとなることがあるからです。
最初のうちは、そんなに深いことを考える必要はありませんので、
食品市場自体が成熟市場なので、「あまり成長していそうもないな」とか、
「業績は今ひとつかな」とか何でもいいのですが感じてみることが次につながります。

 

 

 

 

中期的循環の分析とは

前回までに述べてきたように、株式投資で成功するためには、
株価変動要因のどれかに絞り込んで分析する必要があります。
その中で、当ブログでは企業の中期的な業績循環に絞ってお話しします。

(1) 中期的な循環を分析することとは


具体的な分析方法は先に行って述べるとして、ここではどんなことを分析するのかということをお話しします。
ここまでは中期的な循環という表現を使いましたが、感覚的には中期的な業績変動と考えた方が理解しやすいでしょう。
企業の業績は様々な外部要因、内部要因によって変動します。
好調な時期もあれば、不調な時期もあります。好不調の波が大きな企業もあれば、その波が小さな企業もあります。


まず、理解する必要があるのはその企業が今どんな状況にあるかということです。
好調なのか、不調なのか、そしてそれが何によって影響されているのかを分析します。
これは業種によって共通している場合もありますし、企業ごとに異なる場合もあります。


その時に必要なことは、なるべく長期的な業績推移を見て、その企業の業績変動の傾向をつかむことです。
そして、その業績変動の要因を発見することが最初に行うことになります。
一企業の業績変動の要因を発見するためには、まずその企業が属する業界の一般的な傾向を理解することから始めます。
これは様々なケースで過去に分析されたものの中から発見できます。次に、その企業の独特な傾向を分析します。


このようにして、まずは企業業績の変動要因を明らかにして行きます。
これである程度のことが見えるようになります。


 (2) アナリストとの違い


このように企業や産業を分析するわけですから、プロの世界で言えばアナリストの行っていることを行うということになります。
ある面、アナリスト、私の職業でもありますが、そのアナリストのノウハウを学んでいただきたいと思っています。
そうなると当然プロのアナリストがやっていることを個人投資家ができるのかという疑問を持つ人もいるでしょう。
もちろん、プロのアナリストに全面的に勝とうというわけではありません。
情報量も違うし、分析に費やす時間も異なります。しかし、実は有利な点もそれと同じくらいあるのです。


皆さんご存知のように、アナリストというと高い分析力や豊富な知識で、
証券の職務の中でもレベルが高く、プロとして完全に成り立っている職種です。
素人目で見て、そんなことができるようになるのかと思っても不思議ではありません。

でも、実は少し違います。


アナリストの行っていることの3分の1のことをやれば十分なレベルの分析になるのです。
アナリストの費やす3分の1のエネルギーで120%の効果が得られます。


なぜそうなのかということをお話ししますと、アナリストのやっていることは、
銘柄を調べて、深く理解することがまず大前提としてあります。
しかし、さらにそこから他人にその内容を伝えるためにレポートを作るという作業があります。
これにはかなりのエネルギーを要します。


特に文字にする作業というものは正確性を要求されますから、記載するデータなどが間違いないように一つ一つ確認します。
重要なデータであればもちろん正確に把握する必要がありますが、
必ずしも重要でないデータの場合にも適当にはできませんから、チェックに時間をかけることになります。


さらに、最も大きなエネルギーを注ぐものは、世界中を回って多くの投資家に調べたことを伝えなければなりません。
この2番目と3番目は皆さんの想像以上に大変な労力です。
ですから、実は銘柄について調べて理解し、そして投資をするだけであれば、彼らの3分の1のエネルギーで済んでしまうのです。


しかも彼らは、業種を決めて、銘柄を決めて、それだけが分析対象になります。
その業種がしばらくだめだとわかっていても、調べ続けなければなりません。
しかし、皆さんは興味のある銘柄だけを調べて、本当に興味がなくなれば、別の銘柄を調べれば済みます。
ですから、やることは実はぜんぜん楽なのです。


(3) むしろアナリストより株を当てやすい立場


よくアナリストは株が当たらないと言われます。それは当然です。
彼らに要求されているのは、企業の内容や業績についてより詳しいこと、
場合によっては企業にこうしたほうがいいというような提案力が要求されているのです。


株価を当てることももちろん重要ですが、株価は誰がやってもいつも当たるわけではありません。
しかし、企業業績に詳しくなることは、努力に比例します。
そのため、株価を当てることより、企業業績に詳しくなることを選びがちです。


ですから必ずしも彼らは常に株価を当てることにエネルギーを注いでいるというわけではないのです。
しかも業種を絞って分析しているわけですから、その業種がだめなときはどの銘柄もダメなのですが、
それでもいい時と同じエネルギーで調べ続けなければなりません。


そういうことを考えれば、皆さんがアナリストのやることを学ぶということは、
彼らのやっていることの一部を学ぶことですから、そんなにとんでもなく大変なことというわけではありません。


まずこれがひとつ大きなポイントになります。


別の観点からも個人投資家が企業を調べることの優位性があります。
フォローしている銘柄が10個あったと仮定して、当たるかどうかは別問題としても、
ある時点で上がると思える銘柄、下がると思える銘柄がそれぞれ2つずつあるとします。
残りの6つは実は上がるか下がるかわからず、動くか動かないかもわからないのが実態なのです。


しかし、アナリストはそのすべてに判断を示さなければなりません。
上がる、下がる、動かないという具合です。
自分のための分析であれば、わかる銘柄だけ判断すればすみます。
上がりそうだから買おう、下がりそうだから売ろう、どちらだかわからないから様子を見ようという感じで十分なのです。


また、アナリストは当たるか外れるか微妙な注目度の高いところで勝負をしようとします。
あるいはマーケットを動かすことを考えます。
これは当然リスクが大きいのですが、アナリストは注目されてこそ価値という面がありますのであえて挑戦します。


一方、個人投資家は大向こうをうならせる必要はありませんから、逆にマーケットの隙間を狙えます。
当然、マーケットの隙間狙いの方が勝率は圧倒的に高くなります。


このように、皆さんがアナリストと同じことをする中で、皆さんの方が有利な点というものが非常に多いのです。
ですから、本ブログで述べることを真剣に学んでいただければ、十分アナリストと対抗し、マーケットに勝てるだけの力をつけることができるのです。

 

ファンダメンタル分析の意義

前回まで説明してきたような株価変動モデルを踏まえて、
ここでは企業のファンダメンタルを分析することの意義とその使い方の概要を解説します。

 (1) ファンダメンタル分析の優位性

株式投資を行うに当たっては、前章までに説明したような株価変動要因のどこにポイントをおいて分析するか決める必要があります。
すでに見てきたように多くの要因が複雑にからみあって決まる株価に、何の戦略もなしに投資することは、お金をどぶに捨てるのに等しい行為となるためです。


まずは、前述の4つの株価変動要因のどれかに的を絞ることが賢明でしょう。その場合、それぞれに一長一短があります。
ここではその中で、企業のファンダメンタルを分析することの優位な点について考えてみたいと思います。


ファンダメンタル分析の最大の優位性は他人と差別化しやすいことです。
マクロ要因の予測も、株価の中期変動も短期変動も他人と差別化するのは容易ではありません。
ただし、ファンダメンタル分析で他人と差別化するためには、多くの人が継続的に見ている銘柄を選んでも無駄です。
それではマクロや株価変動と皆が観察しているという意味では同じになってしまいます。


特定の企業を比較的長期間見続けることによって、だんだんと自分の理解度が高まり、他人に対する優位性が増します。
ただし、業績が好調で株価が高い局面では多くの人がウォッチするようになりますので、
そういったときには必ずしも優位性が発揮できるとは限りません。
特に優位性が発揮できるのは人気がなくなったときです。そして、その後業績が回復に向かうときです。
そのためには継続的にウォッチすることが重要となります。


(2) マクロや株価変動の位置づけ

世の中には、個別銘柄に投資しているのにもかかわらず、日経平均TOPIXがいくらになるかを常に真剣に知ろうとしている人が多くいます。


確かに、マーケット全体がどう動くかがわかれば、個別銘柄も当てやすくなるためですが、
そうは言っても個別銘柄を当てることより、マーケットを予測することの方がずっと複雑で難しいのです。


もちろん、マーケット全体のことを理解しておけば、安心感があるという位置づけを理解して行っているのなら話は別です。
しかし、講演会などでも、全体を見るのは難しいので個別からアプローチしていますと説明しているにもかかわらず、
日経平均は10,000万円行くと思いますか、とか聞かれると、本当にこの人は何もわかっていないんだなと思ってしまいます。

これはいくら考えても当たるものではないし、誰かの意見を聞けばずばずば当ててくれるものでもないのです。
また多くの人の意見を聞いて多数派についたとしてもそれで当たるわけでもありません。
そもそも変動要因が多すぎて終わったことを理解するだけで日が暮れてしまうものです。

そこで、市場全体についてや株価変動については日経紙の株式市況欄に目を通す程度でいいのではないかと思います。
もちろん、余裕ができればそれ以上のことを理解しようとしてもいいのですが、
投資対象の企業のことを理解することに力を注いだ方がずっと成果は出やすいものです。

 (3) 難しい長期トレンドの予測


3月1日付のブログでは、一口に企業のファンダメンタルと言っても、長期のトレンドと中期の循環があることを述べました。
参照記事:http://cherry2910.hatenablog.com/entry/2017/03/01/224131
それでは、ファンダメンタルを分析する場合、どこに焦点を当てて分析すべきでしょうか。


しばしば、株式投資の入門書を見ると、必ずと言っていいほど、長期投資のメリットが述べられています。
そのような場合、過去の成長企業を取り上げて、30年前にこの株に10万円投資したら、
その後の30年間で5,000万円になっていますというような話があります。
そして、それこそが株式投資の最大の魅力と述べていることが多いものです。


しかし、株式投資の魅力の例としては、実はこの長期投資というものは、わかりやすい反面、非常に誤解を招く表現になっています。

1989年までの日本のように、経済が長期的に右肩上がりに成長し、
平均株価が大きく上昇するような環境であれば、爆発的に上昇する株に当たる可能性も高かったと思います。
たとえば、1969年12月末から1989年12月末のTOPIXは20年間で約16倍になっています。年率に直せば約15%の上昇です。

片や1989年12月末から2009年12月末までのTOPIXは20年間で約3分の1になっています。年率に直すと6%の下落になります。
つまり、20年間で16倍になった市場と20年間で3分の1になった市場を同じ尺度で測ろうとしていることになります。


それでも10年、20年の間に10倍、20倍になる株はあることでしょう。しかし、事前にそれを予測することは極めて困難です。
そもそも10年、20年で10倍、20倍になると言っても、コンスタントに上昇してそれが達成されるわけではありません。
半年で2倍、3倍になるときもあれば、逆に半年で半値になることもあります。
その間、その企業の業績に対する見方もそれだけ大きく変わっているということです。


そのような状況で自信を持って保有し続けることには大きな困難が付きまといます。
それゆえ、企業を長期の成長という切り口で分析するのは非常に難しいことになります。

一方、成長という観点とは別の意味での長期投資は今でもそれなりの意味を持っていると考えられます。

前回も触れましたが、米国における超長期の分析によれば、
株式のリターンは純資産の増加と配当利回りの合計値に等しいものとなっていることからも、
株価の長期トレンドの主因は企業業績であることがわかります。

ただし、これは高成長企業を念頭においたものではありません。
たとえば、毎年コンスタントに利益を稼ぐことができ、PBRが低ければいいのです。
仮にROEが10%の企業で、PBRが1であれば、毎年10%のリターンとなります。
地味ですが、これでも10年で倍以上になりますので、実は非常に効率的でリスクの小さな資産運用法と言えましょう。
もちろん成長しなくてもいいのですが、想定した収益を稼ぎ続けられる力量があるかどうか判断する分析力は必要となります。


さて、ここまで見てきましたように、最後に述べたケースを除けば、
長期的な成長株を探すことや成長株に投資して長期で高いリターンを狙うことの困難はご理解いただけたのではないでしょうか。
そこで、特にファンダメンタルの分析対象とするものは残った中期的な循環あるいは中期的な成長を念頭に置くということになります。

そのやり方については次回以降でじっくり解説して行きます。