読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

企業の調べ方

本章からはいよいよ具体的な企業分析の段取りや手段を示します。
まず、実際私が全く新しく企業を分析し始める場合の段取りを示すことにしましょう。

ファンダメンタル分析の価値】

株式投資は銘柄を人から聞いて、鵜呑みにして投資しているうちはなかなか儲かりません。
本当に儲けるためには、自分で自分にあった方法論を見つけ、銘柄を探す作業が必要です。
そのためには、自らが企業分析を行うことができるようにし、株価も考えられるようにする必要があります。


もちろん、誰も最初のうちからそんなことができるわけではありません。
最初のうちは聞いた銘柄をせめて自分なりに解釈するところから始めます。
まずは、私がお話しする銘柄について自分なりに理解するところからスタートしてもらえればいいでしょう。


ゴルフのレッスンにたとえれば、初めて練習場のティーに立って、
いきなり打ってくださいといわれても、打つことはできないでしょう。
そこで、まずはレッスンプロが打つのを見ます。
次に今のように打ってくださいと言われますが、当然それでもやっぱり打てません。
そこで、うまく打つためには、脇を締めるとか、
ヘッドアップをしないとか、右手を返すとか、具体的な方法のレッスンが始まるのです。


ここでは企業分析、株価分析をするためには、具体的にどうすればいいのかをお話します。
ここで話すことは、企業分析の初歩です。
しかし、株式投資の大ベテランであっても、実際は企業分析のやり方などはほとんど知らないものです。
また、個人投資家の方は、
そもそも企業分析のやり方を教えることのできる人と接する機会はほとんどないでしょう。


つまり、ここからお話しすることは、企業分析の初歩ですが、
決して株式投資の初心者だけに向けたものではないということです。
株式の投資手法にはさまざまありますが、ひとつの手法だけで、
それ以外の方法を使っていないという人はまずいないでしょう。


私もファンダメンタルから株価を考えることには長けていますが、
エコノミストやストラテジストの話も聞きますし、チャートも見ますし、
ファンドマネージャーの相場観も利用していますし、
クォンツの人とも意見交換をして、それぞれの考え方を大いに参考にしています。


どんな立場で株式投資を行っていても、間違いなくファンダメンタルを理解し、
ファンダメンタルと株価の関係を理解することは、その人が持つ得意な手法に対して、
さらに付加価値を与えることになるでしょう。


【理解しやすい企業、しにくい企業】


最初に行うことは、その企業の長期的な業績変動を眺めて、
現状がどんな位置づけにあるかを見ることです。
業績変動を俯瞰するときにとりあえず見るのは営業利益の推移です。


この場合、二つの面から見ます。つまり、長期的な業績のトレンドと中期的な位置づけです。


それでは、具体的な企業を例にとって、実際に企業分析を始めることにしましょう。
ここで例として用いる企業はキユーピー(2809)です。
最初にキユーピーから始めるのには多少の意味があります。
ひとつには、商品が理解しやすいということです。
例えば、電子部品や化学品などの中間財を扱っている企業では具体的イメージが湧きにくいものです。
もちろん、他の食品企業でもいいのですが、
いわゆるコンシューマー(消費者)向け製品のメーカーがいいでしょう。


外食産業や小売業も普段接するという意味では選択肢になります。
ただし、外食産業はまだいいのですが、小売業の場合は、
扱い商品は同じあるいは同じようなものであり、
差別化がオペレーションにあるのでこれも分析に慣れてこないと難しいものです。


また、商品という面も重要ですが、
IR(インベスターリレーション)体制が整っていないと調べにくいという面もあります。
同社の場合、HP(ホームページ)も親切であり、
データも整っているため調べやすいということもポイントになります。


以上のような背景から、企業分析のトップバッターとして、
キユーピーを取り上げて解説することにします。


【まずはホームページへのアクセスから】

 

まずは、会社を理解することからスタートします。
かつては会社のことを調べようと思うととてつもない労力が必要でした。
しかし、今は会社のIR姿勢が良くなったことと、
インターネットの普及でかなりのことが自宅にいて調べられるようになっています。


まず調べてみたい企業があれば、ホームページにアクセスするのが一番手っ取り早いものです。
ここで、念のため言っておきますと、キユーピーはキューピーではなく、キユーピーなのです。
つまり、ユであって、ュではありません。
キユーピーのホームページはこちらになります。
http://www.kewpie.co.jp/index.html
その中で特に株式投資の分析に使うのはこちらのIRのページです。
http://www.kewpie.co.jp/company/ir/index.html


次回から財務データを用いて具体的に企業分析を進めるのですが、
まずはホームページをあちこちクリックして、どんな資料があるか見てください。
特に、コンシューマー企業は消費者を意識している面が強いので、
できる限り企業情報を開示しているため、HPを見るだけでもその企業をかなり理解できるものです。


ただし、安易に理解という言葉を使ってしまいましたが、
それはあくまで企業のことがある程度わかるということであって、
株式投資に使えるような形での企業分析とはかなり異なるものです。

 

そして、ざっとでいいので事業内容を見た段階で、どんな業績か想像してみることをお奨めします。
つまり、自分を含めた世間がどう感じているか、
そして業績を見たときとのギャップが意外と株式のリターンを考えるヒントとなることがあるからです。
最初のうちは、そんなに深いことを考える必要はありませんので、
食品市場自体が成熟市場なので、「あまり成長していそうもないな」とか、
「業績は今ひとつかな」とか何でもいいのですが感じてみることが次につながります。