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中期的循環の分析とは

前回までに述べてきたように、株式投資で成功するためには、
株価変動要因のどれかに絞り込んで分析する必要があります。
その中で、当ブログでは企業の中期的な業績循環に絞ってお話しします。

(1) 中期的な循環を分析することとは


具体的な分析方法は先に行って述べるとして、ここではどんなことを分析するのかということをお話しします。
ここまでは中期的な循環という表現を使いましたが、感覚的には中期的な業績変動と考えた方が理解しやすいでしょう。
企業の業績は様々な外部要因、内部要因によって変動します。
好調な時期もあれば、不調な時期もあります。好不調の波が大きな企業もあれば、その波が小さな企業もあります。


まず、理解する必要があるのはその企業が今どんな状況にあるかということです。
好調なのか、不調なのか、そしてそれが何によって影響されているのかを分析します。
これは業種によって共通している場合もありますし、企業ごとに異なる場合もあります。


その時に必要なことは、なるべく長期的な業績推移を見て、その企業の業績変動の傾向をつかむことです。
そして、その業績変動の要因を発見することが最初に行うことになります。
一企業の業績変動の要因を発見するためには、まずその企業が属する業界の一般的な傾向を理解することから始めます。
これは様々なケースで過去に分析されたものの中から発見できます。次に、その企業の独特な傾向を分析します。


このようにして、まずは企業業績の変動要因を明らかにして行きます。
これである程度のことが見えるようになります。


 (2) アナリストとの違い


このように企業や産業を分析するわけですから、プロの世界で言えばアナリストの行っていることを行うということになります。
ある面、アナリスト、私の職業でもありますが、そのアナリストのノウハウを学んでいただきたいと思っています。
そうなると当然プロのアナリストがやっていることを個人投資家ができるのかという疑問を持つ人もいるでしょう。
もちろん、プロのアナリストに全面的に勝とうというわけではありません。
情報量も違うし、分析に費やす時間も異なります。しかし、実は有利な点もそれと同じくらいあるのです。


皆さんご存知のように、アナリストというと高い分析力や豊富な知識で、
証券の職務の中でもレベルが高く、プロとして完全に成り立っている職種です。
素人目で見て、そんなことができるようになるのかと思っても不思議ではありません。

でも、実は少し違います。


アナリストの行っていることの3分の1のことをやれば十分なレベルの分析になるのです。
アナリストの費やす3分の1のエネルギーで120%の効果が得られます。


なぜそうなのかということをお話ししますと、アナリストのやっていることは、
銘柄を調べて、深く理解することがまず大前提としてあります。
しかし、さらにそこから他人にその内容を伝えるためにレポートを作るという作業があります。
これにはかなりのエネルギーを要します。


特に文字にする作業というものは正確性を要求されますから、記載するデータなどが間違いないように一つ一つ確認します。
重要なデータであればもちろん正確に把握する必要がありますが、
必ずしも重要でないデータの場合にも適当にはできませんから、チェックに時間をかけることになります。


さらに、最も大きなエネルギーを注ぐものは、世界中を回って多くの投資家に調べたことを伝えなければなりません。
この2番目と3番目は皆さんの想像以上に大変な労力です。
ですから、実は銘柄について調べて理解し、そして投資をするだけであれば、彼らの3分の1のエネルギーで済んでしまうのです。


しかも彼らは、業種を決めて、銘柄を決めて、それだけが分析対象になります。
その業種がしばらくだめだとわかっていても、調べ続けなければなりません。
しかし、皆さんは興味のある銘柄だけを調べて、本当に興味がなくなれば、別の銘柄を調べれば済みます。
ですから、やることは実はぜんぜん楽なのです。


(3) むしろアナリストより株を当てやすい立場


よくアナリストは株が当たらないと言われます。それは当然です。
彼らに要求されているのは、企業の内容や業績についてより詳しいこと、
場合によっては企業にこうしたほうがいいというような提案力が要求されているのです。


株価を当てることももちろん重要ですが、株価は誰がやってもいつも当たるわけではありません。
しかし、企業業績に詳しくなることは、努力に比例します。
そのため、株価を当てることより、企業業績に詳しくなることを選びがちです。


ですから必ずしも彼らは常に株価を当てることにエネルギーを注いでいるというわけではないのです。
しかも業種を絞って分析しているわけですから、その業種がだめなときはどの銘柄もダメなのですが、
それでもいい時と同じエネルギーで調べ続けなければなりません。


そういうことを考えれば、皆さんがアナリストのやることを学ぶということは、
彼らのやっていることの一部を学ぶことですから、そんなにとんでもなく大変なことというわけではありません。


まずこれがひとつ大きなポイントになります。


別の観点からも個人投資家が企業を調べることの優位性があります。
フォローしている銘柄が10個あったと仮定して、当たるかどうかは別問題としても、
ある時点で上がると思える銘柄、下がると思える銘柄がそれぞれ2つずつあるとします。
残りの6つは実は上がるか下がるかわからず、動くか動かないかもわからないのが実態なのです。


しかし、アナリストはそのすべてに判断を示さなければなりません。
上がる、下がる、動かないという具合です。
自分のための分析であれば、わかる銘柄だけ判断すればすみます。
上がりそうだから買おう、下がりそうだから売ろう、どちらだかわからないから様子を見ようという感じで十分なのです。


また、アナリストは当たるか外れるか微妙な注目度の高いところで勝負をしようとします。
あるいはマーケットを動かすことを考えます。
これは当然リスクが大きいのですが、アナリストは注目されてこそ価値という面がありますのであえて挑戦します。


一方、個人投資家は大向こうをうならせる必要はありませんから、逆にマーケットの隙間を狙えます。
当然、マーケットの隙間狙いの方が勝率は圧倒的に高くなります。


このように、皆さんがアナリストと同じことをする中で、皆さんの方が有利な点というものが非常に多いのです。
ですから、本ブログで述べることを真剣に学んでいただければ、十分アナリストと対抗し、マーケットに勝てるだけの力をつけることができるのです。