初級者はチャートの世界に近づくな

この辺りで、まずは初級編を終わりにしたいと思います。
そこで、初級編の最後に当たって、ちょっと大切な考え方をお話ししておきます。
それは初心者の内にはチャートで株価を考える見方はしない方がいいという話です。

「パターン=規則性と考えてしまう間違い」について

物事を説明するのに絵や図を使うと非常にわかりやすく説明できます。
しかし一方で、絵や図は理論をごまかしやすい部分や錯覚しやすい部分があります。
株価のチャートもそのような性格を持っています。

数多くの銘柄の株価チャートを眺めていますと、いくつかのパターンが見えてきます。
パターンがあるということは、そこから規則性を発見できれば、
株式投資で利益を得ることができると考えがちです。

往々にしてパターン=規則性と考えてしまいますが、実はパターンと規則性は全く別物です。
株価の変動の本質を分かっていない人にとっては、株価変動はほとんどブラックボックスの世界です。
そこに見える一縷の光がチャートとなりますので、どうしてもすがりたくなります。
でも最初のうちにそれだけは避けてください。


「検証で否定される規則性」について

たとえば、彗星の軌道にはパターンがあります。
そこで、そのパターンを分析することによって、規則性を発見することができます。
自然科学の場合は、パターンから規則性が発見されることが多いものです。

一方、社会科学の場合のパターンには景気循環があります。
そしてそこからジグラー、コンドラチェフといった循環が主張されています。

そうであるならば、株価にも規則性があってもおかしくはありません。
私もそれを全面的には否定しません。

ところが、前2者のケースとチャートでは根本的に異なる部分があります。
それはそのパターンの背景にある理論的裏付けに対する理解の深さです。

つまり、彗星の場合であれば物理学の知識があって初めてパターンから規則性が発見でき、
景気循環も経済という社会科学の知識や実証例があって初めて規則性が主張できるのです。

ところが、往々にして個人投資家がチャートにはまり込むパターンは、
過去の価格変動だけから将来を予測する方向へ行ってしまうのです。

ここが、前2者と根本的に異なる部分で、説明変数に過去の価格しかないのです。
しかし、過去の価格は将来の価格を説明しないということは、多くの学者によって証明されているのです。

証券の世界にはチャートの専門家もいます。
彼らの多くは、チャートはアートだと言います。
つまり、チャートは物事を説明しやすくする道具立てであって、
最後の銘柄選択はそれ以外の知識で行っているのです。

「神話好きはいいけれど、投資には向かない」

繰り返しになりますが、株価の変動の本質を分かっていない人にとっては、
株価変動はほとんどブラックボックスの世界です。
そこに見える一縷の光がチャートとなりますので、どうしてもすがりたくなります。

大昔の人々が錬金術にはまってしまったのと似ています。

別にたとえて言うならば、星座の世界です。
昔の人々は星を見て、農作業の時期を決めていました。これはまさに科学で、規則性のあるものです。

一方で、星座という考え方があります。
これは実は科学ではなくロマンです。
つまり、星座を形成する一つ一つの星は地球から見て同方向に見えるだけで、星同士はまったく無関係です。
しかし、その星座がギリシア神話の神々と結びついて、無数の物語が語られています。
それだけ、パターンは人を魅了します。

そのようなロマンを追求するのはいいのですけれども、ロマンで飯は食えないのも事実なのです。
同じ楽しむのであれば、何回か前に解説した配当金や株主優待の方が、実利がある分、かなりましです。

くれぐれも、初級者はチャートの世界、神話の世界には近づかないでください。
はまってしまったら、生きては帰ってこられなくなってしまいますから。

 

さて、ここまでが株式投資の初級編になります。

いかがでしたか。次からは中級編になり、もう少し難しくなります。

このまま進んでもいいですし、ここで一服するのもいいでしょう。

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なお、この文章は、2021年10月27日に更新しています。

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