まずは少額で投資を行う

今回からは、実際に株を始める場合の準備から


初めに述べたように、株式投資は理論で理解する部分と経験で理解する部分があります。
そのためには、最初は小さな金額でまず買ってみるという行為が必要です。
そして最初は何があっても、最低半年は保有してみてください。
その間、株価が変動するので、それをずっと見ていてもらいたいのです。


株価を見るといっても、なかなか見続けられないものです。
しかし、自分で持っている銘柄であれば、いやでも毎日気にするようになります。


毎日でなくとも、1週間に一度程度でも同じ株を見ていると、
あそこで売っておけばとか、あそこで買っておけばとか思います。
株式投資は、あとから見ると、実に簡単です。
しかし、実際に行動してみるとそう簡単ではありません。

 

人によって性格はいろいろあると思いますので、やれといってもすべての人ができるものではありません。
そこで、いろいろな手段をお伝えしますので、自分の性格、資金の性格、時間的余裕などで、
自分に合ったものを選択してください。

投資教育がないのは日本だけ?

成熟国では国民にとって株式投資はそれほど重要な知識ですから、
学校教育には株式投資について教える授業があります。

アメリカでは小学校から授業の中で「株式投資」の勉強をしていて
アメリカ人の60%が株式投資・不動産投資を経験した事がある
との調査結果が出ています。

でも、日本では学校で株式投資について習うことがありませんから、
専門の職種に就くことがなければ「株式投資」についての知識は
ほとんど身に付く機会がありません。

つまり、「株式投資」にチャレンジして財産を失ってしまう人が多いのは
株式投資に対する基礎知識があまりにも少なすぎる
からと、思えてなりません。

これが日本の個人の間で、本当の意味の「株式投資」が定着しない大きな理由ではないでしょうか。

基本的な知識がない中で「株式投資」を行うのは
わかりやすく例えると
自動車の運転を見よう見まねで、独学で覚えたドライバーが
通常の道路を走っていると考えたら・・・・
ちょっと恐ろしくなります。


ウインカーを出さずに急に曲がったり
道路標識も分からないから進行方向もバラバラ
追い越し禁止の場所でも平気で「追い越し」をしているかもしれません・・・

想像しただけでも事故を起こす確率が高いのは
わかっていただけると思います。
 

株式投資の優れた点

資産運用には株式投資以外にも多くの方法があります。
預金、債券、為替、不動産、金、商品などです。
資産三分法という言葉がありますが、これは資産を流動性資金、
使用予定資金、利殖性資金に分けて持つというものです。


上の例で言えば、流動性資金は預金ですし、
使用予定資金は中期債などが相当するでしょう。
そして、株式投資は為替や不動産、商品などと並んで
利殖性資金に位置付けられます。

 

その中で株式投資流動性が高く、換金が容易であり、
それ自体がバリエーションに富んでいてリスク分散が簡単だという特徴があります。
また、株式投資を行うためには、経済の知識やお金の知識を学ばなければなりません。
しかし、逆にそれらを学ぶことで、リアルの世界でも役に立つこともあります。

 

これらが株式投資の優れた点ということになります。

資産運用が必要不可欠な時代になって来た

日本人には株式投資というとはなから危険なものという捉え方の人が多いものです。
だとすれば、なぜ株式投資が必要かということはとても重要なテーマです。

広い意味の資本主義経済で、一つの国が成長し、
繁栄している間は国民一人一人の所得が増加し、生活水準も上がって行きます。

しかし、所得水準が国際的にも高水準となり始め、
新たな成長手段が見いだせない場合、国の経済が成熟化し、
国民の所得も横ばいか、減少し始めます。
この25年間の日本がまさにこの状況です。

一人一人の所得が増加しているような国では、
貯蓄や運用はそれほど重要な意味を持たないかもしれません。
つまり、ある時、1の所得に対して2の貯蓄があって、
その貯蓄が運用によって3になったとしても、
その時点で所得が3になっているような場合です。

ただし、これはこれで企業が成長するために株式市場が必要であり、
企業が成長すれば国民も潤いますから本当は必要なのですが。
この時期の株式投資はいわば余裕のある人が参加する市場と言えるでしょう。

一方、所得が減少するような場合は、運用が非常に重要となってきます。
つまり、1の所得に対して、2の貯蓄があり、所得が0.8になった時、
貯蓄が2のままか3になっているかは大きな違いです。

国の位置付けばかりではなく、個人的には高齢になることによって、
過去の貯蓄を運用することの重要性は大きなものとなります。
特に年金が頼りになりそうもない我が国において、自らの貯蓄の運用は大きな意味があるのです。

そのような観点から言えば、今の日本において正しい株式投資を学ぶことは、
生きて行くうえで、大変重要なことであるということがわかると思います。

ギャンブルがいけないわけではありません

ただし、考え違いをしていただきたくはありませんが、
私自身は株式投資でギャンブルを行うことを否定しているわけではありません。

私が言っているのは、
「知識と経験が少ないにもかかわらず、株式投資でギャンブルをすれば、ほぼ間違いなく損をする」
ということだけです。

知識と経験があり、運用資金全体としてリスクをコントロールできるようになれば、
大いに株式でギャンブルをすることは結構だということです。

これも株式投資の醍醐味ですから。
ただし、株式投資を投資として行うより、数段レベルが高いので、初級者はもとより、
中級者でもまだ早いと思います。

何もわからないうちにいきなりギャンブルをするのは自殺行為です。
最後は、堂々と株式投資でギャンブルができるところまでレベルを上げましょう。

ただし、知識を持たずに株式投資を始めれば、まずギャンブルになってしまいます。
まずは、株式投資の知識を習得することから始めましょう。

株式投資はギャンブルとの境目が不明確

根本的に物事の本質がギャンブルではないとしたら、
ギャンブルかギャンブルでないかの境目はどこにあるのでしょうか?

それはお金をかけているか、かけていないかということになります。

前回で述べたサッカーや野球、選挙などはお金をかけなければギャンブルにはなりえません。
また、競馬、競輪、パチンコなどは初めからギャンブルとしてお金をかけますからギャンブルになります。
麻雀もお金をかけずにやることは少ないでしょう。トランプはお金をかければ明らかにギャンブルです。
商品先物は事業者がヘッジ機能として使う場合はギャンブルではないのですが、事業者ではない人ははなからギャンブルです。

ところが、株式投資の場合、投資としてお金を投じた段階ではギャンブルでなくとも、
お金を投じるわけですので、うっかりしていると途中からギャンブルになりやすい面があります。

一方、同じ投資でも不動産投資や現物の金投資の場合、ギャンブルにはなりにくいものです。

これらの投資と株式投資の差は何かというと、実は株式投資の最大のメリットである換金性にあります。
換金しやすく、取引コストが低く、日々価格がわかるメリットがあるため、逆にギャンブルになりやすいのです。

不動産投資であれば、日々の価格変動が瞬時にはわかりませんし、
換金するには時間がかかりますから、短期で売り買いをしようという気にはなりません。
つまり、株式投資でもたまにしか株価を見なければ、ギャンブルにはなりにくくなります。

もう一つの株式投資の罠は、株式投資であれば実はギャンブルを行っていても、
他人には投資を行っているように思わせることができるという面があります。
たとえば、競馬で生活しているということを堂々と言う人は、
株式投資で生活しているという人よりずっと少ないと思います。

それは、競馬は誰から見てもギャンブルですが、
株式投資はギャンブルかギャンブルでないかは他人からはわからないためです。
実は、同じく株式の売り買いをしていても、株式投資とギャンブルでは手法が大きく異なります。
ただし、本質をきちんと理解していないと、この区別がつきませんから、
ギャンブルをしている当人がギャンブルとは気づいていないこともよくあります。

このブログでは、どうすれば株式投資をギャンブルとせず、いかに株式投資にできるかを説明します。

株式投資とギャンブルの違い

株式投資の本質はギャンブルではありません。
しかし、基礎知識がないために多くの個人投資家はせっかくの株式投資をギャンブルにしてしまっているのです。
また、株式投資にはギャンブルになりやすい要素もあります。


ここは実は極めて重要です。
株式投資として株式投資を行えば、着実に儲かります。
しかし、ギャンブルとして行うと、たまに儲かりますが、大半の人は均すと損をします。

 

株式投資はギャンブルであると思っている人は非常に多いでしょう。
しかし、それは本質ではありません。

パチンコ、競輪、競馬はギャンブルの代表です。
麻雀や花札はギャンブルで、
トランプはギャンブルというイメージがあまりありません。

実は、世の中で行われていることのほとんどすべてのものは
ギャンブルの対象になります。
野球、相撲、サッカーなどから始まって、
オリンピックでも選挙でもギャンブルになります。

しかし、それらの本質はギャンブルではありません。
ただ単にギャンブルの対象にする人がいるということです。

すると、ギャンブルかギャンブルでないかは、そのものの本質より、
そのものでギャンブルを行うか、行わないかということになります。
そして、ギャンブルには損をする可能性が高いという意味合いもあります。
結果的に、個人投資家の多くは株式投資を行っているのではなく、ギャンブルを行っているので損をする人が後を絶たないのです。